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女装の世界・ナレッジ

女装BAR繁盛店はミックスが9割。新規開業で女装専BARは難しい。その理由とは?「女装だけの安心感」ニーズは下がっている。



BAR開業の参入障壁が下がっている中、BARや飲み屋のの新規開業がますます起こっています。
その裏側で1年以内にその半数は倒産・閉店する現実もあります。。。

BARやりたい!→やってみれば?

こういう声は、何の責任もない他人の言う言葉である場合が多いです。

BARの開業やニューハーフママになるのが夢の女装子トランスもいるでしょう。
そんなみなさんにぜひ読んでいただきたい記事です。
決してこの記事は「BAR開業を夢見る人の夢を壊すドリームキラー」ではありません。

BAR開業は「開業すること」が目的ではないはず。
「開業してもずーっと夢が続いていくように」なるべく
現実的な視点でエールを送るつもりで書きました。

「最近、ちょっと客足が伸び悩んでる・・・」というママさんや
スタッフにも読んでいただきたい記事です♡

きっと何かのヒントになるはず!
女装BAR繁盛店は「ミックス」が9割。これからは、女装専BARはやってはいけない。

普通にBAR・飲み屋の関係がない方でも、「へぇ~そうやってるんだぁBARって」
っていう読み物としてもご覧いただけます♡

 

女装BAR繁盛店は「ミックス」が9割。これからは、女装専BARはやってはいけない。

BARの新規開業は、貸し店舗の空き家率上昇による家賃の下降により、
参入障壁が低くなっているため、気軽に始められるようになりました。

2,3年前は、空前のBAR開業ブームが起こり、サラリーマンの人気副業になるほど。
そんな中、女装人がBARを開業することも増え、「将来はBARを開業したい」という
女装人も若い世代を中心に、多くなっている気がします。

すると「女装BAR」の開業を行おうとするわけですが、
BARを新規でやってもいいが、女装専BARだけは絶対やるな!と私は言ってます。
やるなら絶対に”ミックス”です。

今後、BARの開業を考えるアントレプレナーシップ溢れる若手女装人にぜひ心にとどめておいて
いただきたい「女装BAR繁盛店はミックスが9割」を書いておきます。

 

 

女装BARを掲げていても、繁盛店は実質ミックス化している。

全国に人気の女装BARはたくさんあります。
老舗のBARもたくさん。

もちろんBARの範疇にスナックなども含むとします。
女装界に身を置き、自らが女装BARに行ったり、スナックに行ったりする中で、
「自らもBARを開業したい!」と思う方も少なくありません。
もちろん思うだけで、それを実行する方は、数パーセント以下。

世の中の書店には成功法則本が何万冊と洪水のようにあふれかえっていますが、
なぜか世の中は「成功できない」という不安とストレスであふれかえっています。
そう。たとえ知識をいれようが、ノウハウを持っていようが、
実際に行動して結果を出すまで行う方は、どんな集団においても例外なく数パーセント以下しかいないからです。

そう。現存する女装BARおよび、女装業界人が羽を休める全国のBARやスナック、お店の開業者たちは
全員その数パーセントの方々であり、本当にすごいのです。
私が述べるのは、今後、これからBARを開業しようと画策している方々に
絶対に知っておいていただきたいこと。

だって、どうせだったら絶対成功してほしいもん♥
女装BARだけは絶対にやるな!!!!!ということを、おせっかいにも語ろうと思うのです。

実は、女装BARという看板を掲げているお店であっても、実質女装BARではない場合が多い。
それは必ずノンケさんとその他のセクシャリティの方々が
混在してお客様になっている「ミックスBAR」であるのが実態です。

 

 

女装専BARとミックスBARの違いとは?

女装BARというのは、女装子さんがママ、あるいは主要従業員で運営し、
主要顧客が女装人(女装子さんや純男さん)のいわゆる女装専BAR・スナックのことです。
90年代の女装人が出入りするBARというのは、この女装BARスナックが主流でした。

今でも、残っている老舗人気女装BAR・スナックの
多くはこの女装BAR・スナックに分類されます。
女装BARは絶対にやるな!と冒頭に申し上げましたが、
現存する老舗人気女装BAR・スナックは、90年代からの固定客や、
時間やお金に余裕のある40,50代以降の女装子さん、純男さんを
確実にファン化させており、繁盛しているのです。

その顧客たちは「昔ながらの」スナックやBAR、
展開される「同じ年代同士の価値観の共有」を求めてお店に足を運びます。
そのような価値を提供できれば、勝負できる可能性もありますが、何十年も積み重なったプロの技と、
昨日今日の新規開業女装専BARが簡単に太刀打ちできるほど、甘くはありません。
簡単に言えば、「負けそうな勝負をするな!だからやるな!」と言ってるんです。

それはちゃんと後で説明しますね。

続いてミックスBARですが、これはいわゆる「BAR+LGBTに理解あるよ!」というBARです。
最近増えつつあります。
ミックスBARのほとんどは店主、従業員の誰かがLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセク、トランス(女装))
であり、顧客もLGBT、ノンケ、さまざまなセクシャリティが入り混じるまさに「MIX=ミックス=混合」しているから、
ミックスBAR・スナックと呼ばれます。

そして、繁盛している女装BARの9割は、実はミックスBAR・スナックとなっているのです。
看板には「女装BAR・スナック」と掲げられていても、実質は顧客の多くはノンケさんであり、
女装業人来る、という実質ミックスになっている。
これが繁盛している女装BARの9割です。

残りの1割が、さきほど申し上げた「女装専BAR・スナック」。
40,50代のお金と時間に余裕がある女装業界人を
ファン化させている老舗繁盛店です。
なので、女装BARなのかミックスBARなのかは、
お店の看板に関係なく、顧客層が誰なのかで決まります。

ミックスBARと掲げられていても、主要顧客が女装業界人なのであれば、
そこは「女装専BAR」と認識されますし、女装BARと掲げられていても、
主要顧客がノンケさん+女装人なのであれば「ミックスBAR」なのです。

 

 

第1次新規顧客は女装人、第2次新規顧客であるノンケさんをつかめるかどうかで勝負は決まる。

女装界の方がBAR開業となると、知り合いが女装業界人である場合が多く、
初期は「女装BAR」になることが多いです。
「あのひとが○○でBAR開いたらしいよ!」
となれば、同じ女装界の方々がお店に遊びに来ます。

開店1カ月くらいは、ウワサを聞いた女装業界人の方々がお店に訪れてくれ、
第1次新規顧客となります。
そのうちの7割以上はリピートしません。
すなはち、2回目以降はなかなかお店に足を運んでくれません。
そして、ある程度時期が流れると、(お店にもよりますが、2か月~半年後くらい。)
まじめに商売をしていれば、近隣店舗、一見さん(衝動入店のお客さん、ふらっと入ってくるお客さん)
もお店に来るようになります。

第2二次新規顧客です。
ここが、勝負の分かれ目です。
ここで、女装人以外の顧客を確実にリピーター化(ファン化)させて、
お店をミックスBAR・スナック化させるのか?
このまま女装人の方を中心にお店をやっていく女装専BAR・スナックにするのか?

女装人のお客さんを大事にするのは当然ですが、ノンケさんのお客さんも同様に大切にする。
すなはち、楽しませて、ファン化させてミックスBAR・スナック化させれば、繁盛店への第一歩開始です。

なぜミックス化させたほうがいいのでしょうか?
それは、さきほども申し上げたように、女装専BARは顧客層を「女装人」に限定するため、
あらかじめ顧客ターゲットを狭めています。
つまり、顧客を確実にファン化、リピーター化させることが
非常に重要になってきます。

老舗人気女装BAR・スナックは、
長年の運営により多くの方々をファン化させているだけでなく、
そのファンたちが40、50代の新規女装業界人を呼んでくれます。
「固定客(ファン)がついていて、そのファンがまた新規顧客を
呼んでくれる」という、40代50代集客スキームのようなものが
自然と形成されています。

このような女装専BAR・スナックの顧客は「そのお店だから女装するし、そのお店だから女装子さんと話す」という
ファンが多く、結局ほかのお店に遊びにいくことはあっても、そのお店を離れることはほとんどありません。
それほどの高ロイヤリティ顧客を有している女装BARの競合がいるマーケットであり、
かつ女装人という限定された顧客層だけにリーチする
女装BARの開業はあまりおすすめできないということなのです。

ミックスBAR化させるというころは、
第1次新規顧客の女装業界人を大切にすることはもちろん、
第2次以降の新規顧客のうち、ノンケさんを楽しませて
確実にリピーター化(ファン化)させることで、
顧客層の拡大を狙うということなのです。

 

 

女装人とミックスをうまくつなげて「ミックスバーWINWIN現象」を作れ!

では、なぜノンケさんを顧客にすると強い=繁盛店への第一歩になるのでしょうか?
それはさきほどからも述べているように、女装人だけを顧客層にするのではなく、
ノンケさんも顧客層に含めることで、単純に新規顧客のパイ(新規顧客になりうる層)
の拡大を行えるということ。

それだけではありません。

女装子さんの5割はAGであり、純男さんの5割は純女さんもokであり、
ノンケ純女さんの5割は女装子さんが大好きであり、ノンケ純男さんの5割は女装子さんに実は
興味があるからなんです。

つまり、
ミックスにするだけで、女装人にとっても、ノンケさんにとっても、
お互い興味領域におけるwinwin(お互いがイイネ!)が完成してしまうのです。

その興味のひと押しが、お店の雰囲気とママや従業員の接客のひと押しです。
それがあれば、あとは自然と、ミックスな楽しいふれあいがはじまるのです!
これを私は「ミックスBARのWINWIN現象」と呼んでおります。

女装の女神K
すぐ造語にしたがる…(;^ω^)

 

「ミックスBARのWINWIN現象」の一例をあげると・・・

・女装子さんが飲んでいたら、女性のノンケさん2人組が来店。
女装子さんを初めて見たらしく、話が盛り上がる。

・ママが純女さん2人に「女装子さん見たことある?」と絶妙な合いの手。

・その女装子さんはAGであり、純女さんとお話しできるのは単純に楽しい。まったくやぶさかではなーい!

・と、そこに女装業界人の純男さんが来店。

・従業員が純男さんに「○○さーん!ハーレムじゃーん!」とこれまた絶妙な合いの手。

・その純男さんは「女性が好きすぎて、女装子さんにハマった」男性なので、女性2人と女装子さんがいるというのは
完全にハーレム以外の何者でもなく、テンションマックス。

・もちろん純女さん2人は知るよしもない「女装界」の話に興味深々。あまりディープすぎる女装界の話はやめて、
「女装界あるある」を話すだけで、純女さん大爆笑

・みんな楽しい、みんなWINWIN

みたいな。これはほんの一例にすぎませんが、
ミックスBARではよくある現象です。もちろん全員が全員そうではありませんよ。

もちろん、ノンケさんが不得意な女装人もいらっしゃいます。
そこはきちんと、ママや従業員が話し相手になってフォローするのです。
そうすれば、ノンケさんが苦手な女装業界人も楽しい。でも、お気づきの通り、

WINWIN現象は自然にはなかなか起こりません。
ママやスタッフの絶妙な合いの手が必要不可欠なのです。

絶妙な愛の手が決まった瞬間、ミックスBARのWINWIN現象が「カチッ、サー」と
動き出し、みんながハッピーになれるのです!
ミックスさせてれば、接客なくてもみんな楽しむっしょ!みたいな単純な話ではなく、
「絶妙な合いの手」というのは、女装人やノンケさん顧客の一人一人を判断し、
空気や間(ま)を把握し、トークをつないだり盛り上げるという極めて高付加価値なお仕事なので、
決して楽なものではありませんよ。

 

 

「女装人しかいない安心感」をBARが提供する時代は終わった。「女装だけの安心感ニーズ」の減少

ここまでお読みいただければ、
BARをやるなら絶対ミックスにする!と思う方がほとんどかもしれません。

そう思っていただければ、この記事の役目は終わりなのですが、
結局、「女装専BARをやるな!」というのは、
「女装人しかいない安心感をBARが提供する時代は終わっている」からなんです。

90年代は女装の認知も現在より低く、現在の若年層の女装子・男の娘のように、
「女装してどこでも行く!」という習慣もありませんでした。
女装人が行く場所は、現在よりも非常に限られていたのです。
だからこそ、女装アングラスポットも社交場も、飲み屋も、
「女装人しかいない安心感」をうたう必要性がありました。
しかし、今はそんな安心感は必ずしも必要がなくなってきています。

今の若い世代の女装子男の娘は、普通の場所に平気で女装で行きます。
それに触発された40代以降の女装子さんだって平気で普通の場所に行きます。
「女装が理解されることを前提」とした空間は、「女装専コミュニティ」だけではなく、
「一般社会」すら、そうなってきているのが現状です。
(もちろんまだまだ差別を受ける場合もありますが、
10年・20年前に比べるとずいぶんとなくなりました)

女装の認知アップや、ミックスBARの増加で女装で行ける場所が増えていて、
マジョリティが行くような場所に女装で行くことも普通になってきている時代だからです。
端的に言えば、女装人が飲みに行ける場所の選択肢が大幅に広がっているのです。

そんな時代に「女装人しかいない安心感」の必要性は10,20年前よりも格段に少なくなっていますし、
その安心感は、既存の女装専BAR・ラウンジや、女装サロン、ルーム、ビデボが提供しているので、
わざわざ新規開業のBARが提供しなくてもよい時代になっているのです。

 

 

まとめ:ミックス!ミックス!ミックス!

いかがでしたか?
新規開業で、それで飯食っていく、
儲けたい!!のであれば、女装専BARはやってはいけません。
あ、もちろん「趣味」でやるなら全然いいと思います。

利益をちゃんと出して、お店を繁盛させたい!と
思うのであれば、女装専BARは厳しいでしょう。

とはいえ・・・実は、

・いいお店であれば、女装専BARと名乗っていても、
自然にお客さんが来て、勝手にミックスBARになる

のです。

お店にとって、最強の広告は「口コミ」です。
1人のお客様は100人のお客様です。
1人がいい!と思えば、紹介したくなる。
1人につき約100人くらいはコミュニティを持っているもの。
1人にいい!と思ってもらえれば、SNSなどで口コミ拡散してもらえる時代です。
裏を返せば、
1人がダメ!と思えば、紹介したくなるどころか悪評が広がります。

つまり結局は、お店のコンテンツ、主に「スタッフやママ、お客さんといった人」
ですべては決まります。

私は女装して10年になりますが、「クリハラが常連化したお店は長続きする」というジンクスがありますw
それは私がセンスがいいとか先見の明があるとかそういうのではなくて、
単純に「私がいい!」と思ったお店はドンドン拡散するからです。

繁盛店は、この顧客が次の顧客を呼ぶ「口コミ拡散」を本当にうまく使います。
ぜひ今後の女装BAR開業や、運営の何かのヒントになれれば幸いです。
本日もここまでご覧いただき、ありがとうございます。

一般ブログ「新時代のじゆう論」でも書いてるので、
もし興味あれば見てね💛

 

 






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