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私の女装遍歴 連載コラム

私の女装遍歴(18)チアキという女になった私が社会性を体験した日



前回の話で、10人以上の女装子さんが徘徊するQ公園へ足を踏み入れた私。

こんなに女装子さんがいるなんて!!

初めて見る光景に私は少年時代のようなキラキラした時間を過ごすことになります。

深夜に20人以上の女装人が集まっている

同行していた男性のかねやんと一緒に女装子さんがたくさん集まっている公園の内部へ突入。
そのQ公園はとても広い公園で、甲子園球場7個分くらいはありますかね。
その一部分に「集合スポット」のようなところがあり、そこに女装子さん、チェイサーさん合わせて
20名以上はいました。その時、もう深夜です。

深夜の公園に大の大人が数十人も集まってる…!!

この光景だけで、当時の私にとっては驚きなわけです。

その場所には「新参者には近寄りがたいオーラ」のようなものがありました。
その公園にはすでにコミュニティのようなものがあり、その仲良し同士が集まっておしゃべりしているような印象を私は受けました。

私は同行していたかねやんにこう言いました。

「話しかけてきてよ」

私も女装しているのに、その公園のその集団が何か異質な何かのように映っていた私は、
その集団の中にわってはいって「こんばんは!」なんていう勇気はありませんでした。

今だったら、どんな場所でも余裕で「こんばんはー!」なんですけど。。。

それほどに、深夜の公園に女装子さんチェイサーさん20人以上が集まっておしゃべりしているというその光景はものすごい衝撃的なものがありました。

かねやんも少したじろいで「い、いやだよ、知らないし」

私は心の中で「さっきまでの先輩風はなんだったんだ・・・」とちょっと思いながら、
(公園に入るまでは”その公園を知ってるよ”と先輩風満々だった ※前回の話

かねやんと私は、集団からは少し離れた場所で、2人でタバコをすいました。

私「いやぁ、本当に衝撃だよ・・・こんなに女装子さんがいるんだね」
かねやん「おれも初めてだわ」

遠くから眺めていると、その集団と、その集団の様子をうかがう数人の単独の男性たちが周囲を徘徊。
その一部は私のことを見つけて、こちらの様子をうかがってきます。

「私、めっちゃ見られてる・・・」

私は「女の自分」として、誰かに知覚され、女装を共通項にして女装集団のいる空間に存在している…
女装して女になった私が、初めて社会性を帯びた瞬間です。

 

「きれいな女装子さんもいるんだ」OLスーツ姿の美形女装子さんを見かける

しばらく集団の様子を離れた位置でコーヒーを飲んだり、タバコを吸ったり、
たわいもない話をかねやんとしながら、時間を過ごしていました。

すると、集団がいる方向とは違う方向から、女装子さんと男性の2人組が歩いてきます。

私「わ!見てみて!女装子さんがきたよ!」
かねやん「ほんとやね!」

 

私たちはもう、新しい世界にタイムスリップしてきた異世界の人のような感覚で、
目の前に繰り広げられる真新しい光景を楽しんでいました。

その女装子さんは背が高くて、OLスーツ姿で、顔立ちはX JAPANのYOSHIKIのような顔立ちで、
30代くらいのきれいな方でした。

私は、女装する前は、残念ながら「女装=汚いオカマ」というイメージを勝手に持っていたので、
(今から10年以上も前の話で女装文化が今ほど世間一般に認知されていないし、
twitterに女装子さんがいるわけでもなく、まだ女装SNSの存在すら知らない時期でしたし、
私自身もノンケに近い状態だったので・・・)
きれいな女装子さんが存在すること自体に驚きを隠せませんでした。

私「今の人きれいだったね」
かねやん「そうだね、すらっとしてたね」

その女装子さんはもう1人のチェイサーさんにて手を振って会釈をすると、
20人くらいの集団のほうへ向かっていきました。

何をしていたのかは、ここでは口をつぐみましょう。
当時はわかりませんでしたが…。今になると想像がつきます。

 

掲示板に書き込みされた日「あぁ、私、今、女になってるんだ」という実感を得る

結局、かねやんも私も、公園にいた集団に話しかける勇気もなく、
時計をみると深夜2時を過ぎていたので、誰とも話さずに帰ることになりました。
この大阪のQ公園から、まだ1時間以上かけて京都に帰らねばならないのですから・・・・!

しかし、その日の光景は、私がその時まで生きてきた常識を塗り替えるというか、
もう本当に、「もう一度生まれ変わって地球を見に来た」ようなほどに新鮮で新しすぎる感覚でした。

こんな世界を知ってしまって、大丈夫なのか私…
もう好奇心が脳内を駆け巡り、おかしくなりそうだ…

こんな感覚になっていました。

かねやん「あぁもう2時だ…京都に帰ったら3時過ぎだぞ…帰ろう!」

帰りの車内でたわいもない話をしていると、かねやんが信号待ちの際、
こう言いました!

かねやん「すげえすげえ!チアキちゃん出てるよ!!」

私は頭の中が?マークになりました。

私「出ている?何?」

信号が青になったので、かねやんは携帯(当時はスマホなんてまだ普及してなかったな・・・・)
を私に渡して「見てよこれ」と言いました。

携帯の画面には「掲示板サイト」が表示されていて、さきほどのQ公園の情報がのっているようです。
その書き込みに、

「さきほど男性2人でいた〇〇を着た背の高い外人みたいな女装子さん、お話しませんか?」
(※〇〇=当時の服装。忘れちゃいました…)

こう書きこまれていたのです。

かねやん「それ絶対チアキちゃんのことだよ!!!」

私も、それが私のことを書き込みしているとわかりました。
明らかに私の特徴で、男性と2人ですからね・・・

私はテンションが上がりました。

まさに、誰かに女としての私が、女として知覚された瞬間を、目の当たりにしたわけです。

ほんの数か月前まで、女装して外に出るなんて考えられなかった私が、
男として生まれ、男として育ち、男として大学生を過ごす中で見つけた、
「女に化ける女装という趣味」。
存在しないはずのチアキという名前を、この実世界のだれかが認識して呼び掛けてきているのです。

私「だめだ・・・女装はまっちゃいそう・・・」

 

この時、女としてのチアキという私は、社会性を帯び始めました。

一体どうなってしまうんだろう…。

かねやんと私の車は、さっきの光景の中にいたことが嘘のように、
深夜の車がすくなくなった道を排気ガスをたてて進んでいきます。

一般社会の裏側で、こんな世界があるなんて・・・

 

深夜3時過ぎ京都に到着。
私はかねやんと別れて家路につきました。

部屋に入ると、いつもの光景…
私が男で過ごし、男で生きるこの部屋…

さっきQ公園で見た光景は嘘だったのか?
本当に現実なのか…?

本当に夢うつつとはこのことでしょう。
あまりに、一晩で入りすぎた常識が変わりまくる情報の多さに、
私は深夜の部屋の中で1人、ぼーっとたたずんでいました。

 

女装の世界か…とんでもない世界を見つけてしまったな…俺。

女になった私に語り掛けるように、男の私が語り掛けてきます。

私の中で目覚めたチアキという人格は、男の私と女の私という2倍の人生を
歩む運命をここで決定づけたのかもしれません。

次回に続きます。

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