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私の女装遍歴 連載コラム

私の女装遍歴(14)初めて女として同性であるはずの男性と異性として対面した日



前回、いよいよ女装して京都某所で女装子さんが集まる場所だと言われている場所に行くことにした私。
そして掲示板なるものに書き込みする際、自分の女の名前「チアキ」と命名。
私の女に命が吹き込まれました。
いよいよ、ついに、私は女装して女装子さんが集まるらしい京都某所にお出かけすることになります。

ひとけのない道を歩くだけで楽しい女装外出

夜9時には女装準備を終えていましたが、まだ道には人がまばらにいたため、
当時の私はそんな中女装して外出する勇気などなく、
とりあえずニコニコ動画などをみて暇つぶし。
そして午後11時くらいになり、京都某所の掲示板サイトを確認すると、
誰も書き込みがなかったため私は「チアキです。女装子です。12時くらいにいってみます」と初書き込み。

もうこの「女装子です」とか自分から名乗っちゃうカンジもすごく興奮しましたね。
なぜかというと「女装子」なんていうアイデンティティーは19年間(当時)生きてきてなかったわけですから。
大学生になり自由を手にし、鬱屈した女装欲求をためこんだまま受験勉強等でさまざまな我慢をしいられ、
爆発した自分の選択で何でもできそうな感覚の中で、「女装」という行為を誰からも強制されることなく、
自らの手で人生のページを開いていくかのような感覚。

11時くらいになり外を見ると、さすがにあまり人が歩いていなかったので、ついに外出を決行します!

マンションの部屋のドアを開ける、ガシャッ。
ガシャッという音が廊下中に響き渡ります。
こんなの女装してなかったら気づくことのない日常なわけですよ。
廊下中に響き渡る音が、心臓音と連鎖するようにドキドキ感に拍車をかけてきます。

ええええい!いけぇ!!!!!!

男の自分が女の自分にはっぱをかけるように、私はすばやく廊下に出て、
カギをかけ、すたすたすたすたと階段を駆け下ります。
その階段を駆け下りる音は、まだ男の靴です。
まだレディースの靴は購入していませんでしたから・・・。

まるで江戸時代のお庭番(江戸幕府時代の将軍様に使える忍者)のように、人目を気にしながら、
すたすたすたすたとマンションの駐車場を駆け抜けて、通りに出る門まで行きます。

「お庭番って・・・大変だったんだな・・・」

なぜかその時、自分がお庭番になったかのような感覚に陥り、
「私はくのいちだ」などと思い、さらにテンションが上がってしまいます。
通りを見渡すと、人は歩いていません。
向こうに見える交差点付近に光る車のライトと、1,2人人が見えるくらい。

私は意を決して門を出て、通りをすたすたすたと早歩きで出ていきます。

「ついに・・・やっちゃった・・・・」

外出自体は2回目でしたが、1回目の外出に近いような高揚感と、
背徳感のようなものが押し寄せて、私はたしかに夜中を歩いていましたが、
脳内では感覚の昼夜逆転現象のようなものが起き、ふわふわしていました。

私は雲の上を歩いている・・・

京都某所までは、自宅からはまぁまぁ近くて徒歩15分くらいの距離にありました。
最難関は1つだけ。大きな通りである「堀川通り」という通りを越えなければならないことでした。
その通りだけは、絶対にひとけを避けて通ることはできないほどに大きな通りです。

堀川通までは順調に進みましたが、いよいよ堀川通までさしかかります。
私がきている小さめの通りから、堀川通を思しき通りがわかるわけです。
明かに車の光がびゅんびゅんと飛び交っています。

「あぁ。。。大丈夫かな・・・」

本当であれば、男子学生として、今の時間であれば大学の友達と飲み会をしてたり、
平凡に1人でニコニコ動画でも見れいればいいのに・・・
でも、女の私がこんなスリルな場所に私を運んできているんだ・・・

一歩一歩、堀川通に近づいていきます。

ドキドキドキドキ・・・

電信柱のつぶれかけてついたり消えたりしてる電灯が見えましたが、
その伝統は私の心臓音に連鎖しているのではないか・・・

そう思うくらいに、張り裂けそうなほどドキドキしています。

あぁぁぁぁ、やっぱり帰りたい!!!!無理だ!!!!

そんな男の自分と、

行かせてよ!!!私、京都某所に行きたいよ!!!

という女の自分が、

ぐるぐるぐるぐる。

 

 

初めてひとけの多い通りを女装で歩いた

でも、私はやはり行くことを選択します。
ここまできて引き下がるわけにはいかない!

堀川通と、一条通だったかしら?(忘れた)

堀川一条の交差点に立ちます。

実はね、そこには「一条戻り橋」という橋がかかっているのです。

一条戻り橋

歴史的な意味とは違いますけど「私もやっぱり戻ろうかな・・・」
とかわけのわからないことを思いながら、

それでも進みます。

堀川一条の信号が青に変わった瞬間、だあああああああ!!!!
何もかもを忘れて速足で堀川通を横切ります。
何もかもを忘れて。

もう誰かが見ているとか、そんなのに気づいたら心がおれそうだったので・・・

信号待ちをする車のヘッドライトが私を照らしていますが、そんなことはお構いなし!

・・・・

なんとか渡り切りました。

はっきり言って、女装バレしていたかとか、誰かに見られていたかとか
そんなことを気にしている余裕などありませんでした。

堀川通を渡り切ってまた一条通の閑静な人通りのほぼない通りを進んでいくうちに、
「私・・・堀川通を渡り切ったんだ・・・」

という達成感のような感覚が押し寄せてきました。

と同時に、なんか気持ちいい・・・

女としてこの社会の中で溶け込んでいるような感覚になりました。

やっぱり女装って楽しい・・・

そう感じながら、京都某所を目指して歩き続けます。
そしていよいよ、京都某所が見えてきました。

 

 

門をくぐり、ついに京都某所へ

暗闇の京都某所

その京都某所は広大なエリアで、夜間でも出入りできるスポットでした。
広さでいうと、65ヘクタール。東京ドーム約14個分くらいの大きさです。
京都でこの広さがある場所といえば、1か所くらいしかありませんか、あえて名前は伏せておきます。

その京都某所につき、門をくぐります。

門をくぐると、その京都某所は街灯がほとんどない暗闇の広大な敷地が広がり、
うっそうとした森のようなものも中に見えます。

怖いなぁ。。。。

その暗闇はそこに入るとどこか異世界に連れていかれそうな感覚すら覚えました。
でも、この深い深い闇の向こうに女装子さんが集まるスポットがあるんだ・・・
半ば信じられませんでしたが、そのまま進むことにします。

女装をしていると、なぜかこんな暗闇の危なっかしい雰囲気すら
快感に変わってしまっている自分がいました。

もう後戻りできない・・・
こんなスカートをはいて・・・
私、こんな暗闇の中を・・・

闇の中では月明かりが映えます。
さっきまで通りを歩いてきて空を見上げる余裕もなかったのに、
京都某所の暗闇の中ではいやでも月光の明るさに気がつきます。

月光が私の背徳感を照らし、私のストッキングの脚を照らします。
ストッキングの縫い目が怪しく光っています。

さぁ、進むぞ・・・・

京都某所は砂利でうめつくされているため、歩くたびに
ジャリジャリと音がします。

耳を澄ましても、こんな時間に他のジャリジャリという音は聞こえてきません。

本当に人がいるのか・・・?

あ、そういえば家を出る前に書き込んだ書き込みはどうなっているのかな・・・?

当時はまだスマホはありませんでした。(本当に時代の変化を感じるわ・・・・)
しかも私は携帯電話を持っていましたが、携帯電話でウェブサイトにアクセスする習慣がなかったので、
書き込み放置状態のまま京都某所まで出てきているのです。

人がいるといいな・・・

その女装子さんが集まるスポットとおぼしき場所は、京都某所の南側の野球場近辺とのことで、
そこを目指して、暗闇の京都某所を進んでいきます。

 

!?

突然、RPGの敵発見!みたいな音がするように、私は暗闇の向こうに人を発見しました。

明かに、こんな夜中に野球場付近にいるなんておかしい・・・
女装子さんか・・・?

 

女装子さんが好きな男性がいることを知った日

近づいていくと、明かにその人は私を見ています。
マスク姿に、ニット帽・・・

違うか、女装子さんじゃないもんな・・・・

そう思って進んでいっても、明かにこちらをじーーーーっと見ています。

でも不思議なものですね。

こんなに見知らぬ人にじーっとみられていれば、

当時の19歳の男の私であれば「なんじゃおっさん?」となるところなのに、
女になった私は「・・・じろじろ見られてる・・・なんなんだろ・・・怖いなぁ」
という感覚になってるわけですよ。

明らかに、私という1つの中に、2人の男と女が同居してるわけですよ・・・

野球場付近に近づくと、やはり女装子さんと思しき女性の恰好をした人は誰も見当たりません。

うーん・・・やっぱいないかなぁ・・・

そう思った瞬間、

チアキさんですか?

これまで流れていた時間が一瞬ピタッと止まるかのように、
女となった私に声をかけてくる男性の声がします。

そのじーーーーっと見ていた男性でした。

「はい・・・そうです・・・・」

私はドキドキしながら、その男性に返します。

男性「掲示板の書き込みを見てきました。冷やかしかと思ったけど本当にいたんですね。」

そう話しかけてきます。

私は、女装してる人がたくさんいる場所だと思っていたので一瞬混乱して、

「女装子さんはいますか?」

男性「今日はいないねぇ、チアキちゃんだけだね」

私はその男性は一体なんなんだ?と思いながらも、
「チアキちゃん」と呼ばれることに興奮を覚えました。

男として生きていると「~ちゃん」と呼ばれることなんて、
幼少期を超えればほぼないわけですよ。
「チアキちゃん」と呼ばれることで「私、本当に今女になってるんだ」
という感覚が増幅してとても興奮するのです。

「すいません、お兄さんはなぜここにいるのですか?」

私は、その男性がなぜここにいるのかよく理解できなかったので
聞いてみることにしました。

はっきり言ってこんな夜中に、1人でまだ寒い冬の暗闇にいるわけです。
通常ではあまり考えられないことです。

男性「え・・・と、チアキちゃんは初心者さんなのかな?」

初心者と一発でばれるほどに基本的な質問だったのですぐにばれたわけです・・・

「はい・・・実は今日で外出2回目で・・・・」

男性は驚いたような表情をして、私に語り掛けてきます。
表情が一気に「先輩風」になったのを今でも覚えています。
(いや別にディスってるわけでもなんでもないし、めちゃくちゃ感謝していますよ!)

男性「ここはね、ハッテンバという場所でね、女装子さんとか女装子さん好きの男性が
集まる場所でね、そういう人同士が集まってイチャイチャする場所なんだよ。
チアキちゃんは男性とそういう経験ある?」

私はあまりに新しい情報がドンドンその男性の口から垂れ流されるので、
好奇心が踊り狂いました。月明かりの青空教室です。

女装子好きの男性・・・?
ハッテンバ・・・・?

なんなんだそれはーーーーーーー!!!!!

「いや、ないです・・・」

その男性の目は明らかに、私が男の時に女性を見る時のような眼をしていました。

私は正直内心、気落ちが悪いと思ってしまいました。

男同士なのに・・・?
え・・・・?

19年間生きてきた常識が根底から覆され、私はよくわからない
なんとも言えない感覚に陥っていました。

その男性の手が私のストッキングの脚に伸びてきます…

私はその瞬間、ぞわっとしてしまい、

「すいません・・・帰ります」

男性「・・・え??大丈夫だよ」

「いや、マジで」

その瞬間、私を覆っていた「チアキ」という女の隙間から
男の自分が打ち破って出てくるような感覚があったのを覚えています。

男性も私の表情を見て「あ、ダメだ」と悟ったのでしょうか。
そのままどこかへ去っていきました。

もはやその時の私は、スカートをはいた男でした。
さっきまで、覆っていた女のチアキというベール?
心の中を支配していたチアキちゃんは、心の奥の方へ引っ込んでいきました。

その瞬間、私は後悔のような、何とも言えないむなしい気持ちなりました。

マジではやく帰ろう・・・

私はそそくさと京都某所を後にし、ひとけのない一条通を通り、
また堀川通にさしかかりました。

でももはや、その時の私は「はやくスカートを脱ぎたい・・・
男性に触られてしまったこのストッキングを早く脱ぎ捨てたい・・・・」
そんな感覚でした。

もうすぐマンションにつく・・・

途中何人かの通行人とすれ違いましたが、
もはやその時は「女に見られるかな?」とかそんなことはどうでもよくて、

とにかく、早く帰りたい

でした。

マンションに帰ると、時間は深夜1時くらい。
2時間くらいの外出でした。

部屋を見渡すと、女になって京都某所に行ける高揚感の中で、
我を忘れてワクワクして準備してた2時間前の痕跡が散乱しています。
化粧品、ストッキングの入っていた袋、京都某所の掲示板を見るために閲覧していたPC・・・

PCをつけたままいったのでPCのファンの音だけが、
部屋の中を無機質に占拠していました。

私は今日の夜をなかったことにするかのように、
服を脱ぎ棄て、ストッキング、手袋、スカートをすべて、
ゴミ袋の中に投げ入れました。

今日のことは、なかったことにしよう・・・

 

今の私では考えられない京都某所への初お出かけになったのです。
次回に続きます。

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